『Is this love』 globe

小室サウンド全盛期には、小室哲哉の作る音楽というのはすぐに消費されてしまう類の音楽だと、よく言われていたように思う。しかし、あれから20年以上経って、多くの人の心に残る音楽だったと言えるのではないだろうか。
globe の “Is this love” は、後の小室の妻となる KEIKO が歌っている。この曲で、評者の心に残るのは次の部分である。
“やさしさだけじゃ生きてゆけない でもやさしい人が好きなの”
この「やさしさ」とは、どんなやさしさだろうか。残業続きのあなたに、そっと缶コーヒーを差し入れしてくれるようなやさしさだろうか? 違うと思うのだ。

曲を少しさかのぼった所で、こう言っている。
“キュンとなったあの頃は誰も気にせず裸になってた 今はすべて肌を見せたって世界は驚かない 刺激に慣れすぎてから随分たってる”
つまり、無邪気さを失ったことを嘆くことの出来る心を言っているのではないだろうか。
かのドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャもこう言っている。「そう、あの頃は、あどけなくも美しい羊飼いの娘たちが、髪は三つ編みかおさげにして、着衣といえば婦人のたしなみが昔も今も被い隠すことを要求するあのあたりを、つつましく被うに足るものだけで、谷から谷へ、丘から丘へと歩きまわっていた。」

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