『粥百選 精進粥・中華粥とおかず 100 + 20』 高梨尚之、翠香園 東京書籍

精進編と中華編からなる本書。
精進編は、曹洞宗の典座、高梨尚之が執筆しており、禅寺での食事の心得から、お粥の調理の基本、お粥50品とそれに合うおかず10品のレシピが載っている。
お粥と言えば、味気ないという先入観を持っておられる方もいると思うが、様々な穀物、野菜、豆乳、さらにはフルーツを加えた品々があり、飽きることはない。
実際に作ってみて大満足だったのは、ほうじ茶で炊いた「茶がゆ」である。程よくサラサラして香ばしく、大変美味であった。
忙しい現代人には、市販の穀物ミックスを利用して出来る「十穀米のおかゆ」もおすすめである。
中華編は、横浜中華街の広東料理の老舗、翠香園の手による。中国の「医食同源」の考え方、中華粥の基本、お粥50品、おかず10品のレシピが載っている。
医食同源とはいえ、中華粥は、日本の病人が食べるようなものではなく、鶏や豚、しょうが、ねぎで取った中華スープで炊いているし、使う食材も豆、魚介類、漬物、牛や豚の胃などである。
家庭で作るには、市販の中華スープを使うことを推奨されているが、スープを使わずにお粥を炊き、途中で魚介類を入れるレシピもあるので、日本人にはこれがおすすめかもしれない。
中華粥は、概して豪華であるが、米の量が少ないので軽く、温かくて、高級な朝食にふさわしい。