Can you keep a secret? あなたは秘密を守れるか?
“ここからずっと送ってる暗号を 君はまだ解読できてない”
“側にいても 遠回しな表現探してる”
なぜ、そのまま言えないのだろうか? 何をそんなに恐れているのだろうか?
それは、勇気を出して本当のことを言っても、裏切られてきた経験があるからだろう。
“近づきたいよ 君の理想に”
この「君」とは、誰だろうか? 親子関係が、その後の恋愛の型に影を落としていると言ったら、穿った見方だろうか?
例えば、何を言っても、親や教師が模範解答を用意しているので、普段から先回りしてその解答を当てにいってしまうような、そんな優等生的な息苦しさが宇多田ヒカルには、確かにあると思うのだ。
「本当のことを言ってごらん」と言われて、本当のことを言っても、「あたなが思ってるのは、本当はこういうことなんでしょ?」と訂正されてしまうような…
MV の、宇多田ヒカルが相手をしているのはロボットだというアイデアも秀逸である。そして、宇多田ヒカル自身もロボット。
この、話の通じない感じ、本質的な孤独、言葉の限界を知っているところが、宇多田ヒカルを本物の詩人にしているというのも事実である。