今回も、『丸の内サディスティック』からである。
“そしたらベンジー あたしをグレッチでぶってー”
のグレッチ(Gretsch)は、アメリカのギターメーカー。ベンジーは元 BLANKEY JET CITY の浅井健一の愛称で、彼は Gretsch を愛用していることで知られる。
私は、浅井健一にも Gretsch にも、それほど詳しいわけでなく、 Gretsch に至っては椎名林檎の曲を通じて知った程度なので、このギターメーカーについて調べてみたところ、別の会社に買収されたり、創業者一族の手に戻ったりをした歴史があるようで、どうやらマニアにとっては、ヴィンテージもの、しかも、ある年代のものが特に人気があるようだ。
現代の Gretsch には、浅井健一のシグネチャーモデルもあり、これは、1960年代の復刻版である G6119T-62 VS が元になっているという。個人的には、シミュレーテッドfホールってダサいし、何のためにあるんだろうと思っていたのだが、このギターは中が空洞で、本物のfホールに比べて、ハウリング防止の効果があるのだそうだ。だったら、無くても良いと思うが。
そのデザインを見て思うのは、Duesenberg との対比である。Gretsch の創業者はドイツからの移民であるらしいが、ヨーロッパからアメリカに渡った人が作ったエレキギターというものを、今度はヨーロッパ人が真似して作ると、どことなく個人経営のカフェがハンバーガー作ってみました、みたいな感じがしないだろうか?