ドラえもんの敬称はなんだろうと考えていたら、「もん」が接尾語に思えてきた。ドラえもんの後に何か付ける例を考えてみたものの、思い付くのは、しずかちゃんやのび太のママが愛称として彼を「ドラちゃん」と呼ぶ時ぐらいである。(ドラえもんが”he”なのか”it”なのかという議論はとりあえず脇に置いておく)
仮に「もん」が接尾語だとすると、ドラえもんの名前は「ドラえ」になるわけで、ドラえはん、ドラえさん、ドラえくん、ドラえ公といった具合に収拾がつかなくなる。そもそもドラミちゃんを「ドラミ」と呼び捨てることはないので、単に語感として「ドラえもん」の方がすわりがよいことから、F先生の潜在意識の中には、接尾語としての「もん」があったのではないか。
一方で、A先生による怪物くんや忍者ハットリくんは、本名をそれぞれ「怪物太郎」「服部貫蔵」というので、ドラえもんのそれとは異なる。またオバケのQ太郎は「オバケの」という名乗り(?)が付く為、ドラえもんは「ドラえもん」でしかないのであった。
ちなみに話は変わるが、ジャイアンという愛称は英語の音をそのまま日本語にあてたという意味では秀逸で、”giant”を英語で発音してみると、確かに「ジャイアン」に近く、「ジャイアント」にはならない。もっとも日本語の「ト」は、子音の”t”には無い母音を伴うわけで、「ト」を入れて「オーレーはジャイアーントガキ大将」と歌うと、どこか違和感を覚える。同時に、「ト」を除いた「ジャイアン馬場」もまた、それだけで高田馬場にある学生アパートのような響きを帯びてくるのであった。
ちなみにQ太郎の場合、アルファベットが名前の頭文字にきているが、これはQ太郎の家族全員に見られる現象である。最後に、波平、海平、Q太郎を並べると、それぞれ後頭部の髪の毛が一本ずつ増えていくことを付記しておく。