“ If only you
また踊り出すようなら
あの BPM で”
ということは、今は踊っていないのだろうか?
“踊り方
忘れたよ
酔い心地で
また教えてよ”
頼住光子著『さとりと日本人』によると、現世の栄華の頂点で無常を観じ出家するというのが、日本の中世の仏教説話における発心譚の類型の一つらしいのだが、また踊りだすのであれば「還俗」すると言っても良いかもしれない。
礼賛の『PEAK TIME』を聴いた時にも思ったのだが、一通りやり切ってしまった後にもう一度やってみるか、という心境になったように見えるのだ。
それは勿論、夢中で頂点を目指して駆け上がってきた時とは違う。ある種のわびさびとすっきりした感じが漂っている。
“どうしようもない ロマンに浸れた”
“ Baby I love you の歌メロで くるりと回ったあの日”
あの頃とはもう違うし、あの頃を懐かしく思う気持ちもありながら、今のほうがフラットに俗世間を渡り歩けるような気がする。

