現代のオカルト、新宗教に浸透している霊性進化論という潮流を、宗教学者大田俊寛が研究したもの。
本書は今から十年以上前に書かれたものであるが、2020年代のオカルトブームでもお馴染みのレムリア人、アカシック・レコード、チャクラ、シオン賢者の議定書、アトランティス大陸、マヤ暦、レプティリアンというキーワードは網羅されている。
著者によると、霊性進化論の源流はブラヴァツキー夫人が創始した神智学にあるという。当時、ダーウィンの『種の起源』が発表され、伝統的な宗教との間に乖離が生じた。また、ダーウィンの進化論が専ら物質的な面に着目していることに不満を持つ人々がいた。そこに、人間の霊も進化し、輪廻転生を繰り返しながら高みを目指すべきだという霊性進化論が現れた。
ルドルフ・シュタイナーの人智学、ナチスのイデオロギーの源流となったアリオゾフィ、オウム真理教などもこの系譜に属すという。
ダーウィンの説は突然変異と自然淘汰であり、進化に方向はないはずだ。だが、そこから品種改良をするように人為を加えて人間が人間を選別する、更に超越的な存在を仮定してそれを正当化するところまでは遠くないのだろう。
霊的に優れた人間をエリートとして育成し、劣っているとされた人間を抹殺するという思想は、ナチスそしてオウム真理教に顕著に現れているという。
