ロシア文学
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『桜の園』 チェーホフ
私が『桜の園』の存在を知ったのは、太宰治の『斜陽』がこの作品にインスピレーションを受けて書かれたという説からだったと思う。それでも、『桜の園』と『斜陽』は、かなり違う作品だと言える。19世紀末から20…
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『悪霊』 ドストエフスキー 江川卓 訳 新潮文庫、新潮社
あらすじは、左翼の内ゲバみたいなものなのだが、この小説には、「生きる意味系」の問題にそれぞれの決着を付けようとする人々が登場する。その中でも、評者はキリーロフという若い技師に注目した。彼は、一見ロジカ…
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『カラマーゾフの兄弟』 ドストエフスキー 原卓也 訳 新潮文庫、新潮社
ロシア文学特有の語りの面白さで、文庫本にして三冊になる長編でありながら、飽きずに読める本作である。それでいながら、やはりこの作品の底に流れているのは、「このろくでもない世界を抱きしめられるか?」という…
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『父と子』 ツルゲーネフ 工藤精一郎 訳 新潮文庫、新潮社
手元にある山川出版社の『倫理用語集』によれば、「ニヒリズム」という言葉は、ツルゲーネフの『父と子』で用いられて一般化したらしい。そのような先入観で、『父と子』を読み始めたものだから、どれくらい殺伐とし…
