日本
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『あきれて物も言えない』 RC SUCCESSION
この曲に出会ったのは、実際にあきれて物も言えない出来事があって、インターネットで「あきれて物も言えない」と検索した時だったと思う。一般的に言って、その時の気持ちをインターネット検索したところで何にもな…
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『十六の墓標(上・下)』 永田洋子 彩流社
連合赤軍のリーダー永田洋子が獄中でまとめた手記。連合赤軍とその前身は同志を十四名殺害、一人は警察官に反撃されて死亡、もう一人のリーダー森恒夫は拘置所で自殺している。この書物で気になった所を二つに絞って…
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『珍奇男』 エレファントカシマシ
アルバム『浮世の夢』に収録されている『珍奇男』。初期の作品である。残念ながら、CD では現在絶版になっているようだ。“わたくしは珍奇男誰にも後ろ指さされずここまで苦労重ねて来た”わざわざ奇をてらってい…
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『母性のディストピア』 宇野常寛 早川書房
これは、批評家宇野常寛が戦後アニメと日本社会について論じたもので、2017年に集英社より刊行されたものを2019年に早川書房が文庫本、電子書籍にしたものであり、文庫本化の際に加筆訂正がされているとのこ…
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『男道コーチ屋稼業』 ロマンポルシェ。
実存の意味での三島由紀夫の後継者は、見沢知廉→雨宮処凛だと思うのだが、カリカチュアされた男らしさという意味での後継者は、ロマンポルシェ。だと思う。“茶髪ピアスの極細眉毛”には、時代を感じてしまうが、彼…
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『田中清玄自伝』 田中清玄、大須賀瑞夫 ちくま文庫、筑摩書房
田中清玄をご存じだろうか?田中清玄は、戦前の非合法時代の日本共産党の書記長まで務め、逮捕され、獄中で右翼に転向した。刑務所を出てからは、龍沢寺の山本玄峰の下で修業、戦後は土木事業をやったり、反共活動を…
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『本能の力』 戸塚宏 新潮社
戸塚ヨットスクール校長の戸塚宏の著作。この本は、彼がやって来たことを「合理化」するための屁理屈の羅列である。これこそ、彼が最も嫌うことではなかったのか?彼の言い訳はなかなか巧妙で、その矛盾を一つ一つ指…
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『〈酔いどれ船〉の青春 もう一つの戦中・戦後』 川村湊 インパクト出版会
田中英光の小説『酔いどれ船』を軸に、戦時中の日本人の朝鮮に対する視線、日帝時代の朝鮮の人々の姿を追った本作。著者は、韓国で日本語教師をした後、法政大学教授を務めた川村湊。田中英光と言えば、太宰治の後追…
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『若き数学者のアメリカ』 藤原正彦 新潮社
数学者・エッセイスト藤原正彦の初期の著作。本人が、1972年から75年まで研究員、助教授としてアメリカに滞在した経験を綴っている。この時期のアメリカは既に、Ph.D の就職難、実績作りのための論文の大…
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『漱石文明論集』 三好行雄 編 岩波文庫、岩波書店
夏目漱石の講演、評論、日記、書簡などから、文明論に関係ありそうなものを収録した本である。当時、著名人を招いての講演会が既に行われていたというメディアの発達ぶりには驚かされる。と同時に、語られている内容…