湯川れい子作詞、タケカワユキヒデ作曲による本作。
“25階の非常口で風に吹かれて爪を切る”というのがどういう状況なのか正確にはわからないが、当時の大人たちである制作陣から見た中森明菜のイメージが投影されているのだろう。
” solitude ” は「孤独」の意味であるが、” loneliness ” とも若干ニュアンスが違う。
“いつか馴れ合う 気安さがイヤなの”
“誰もみなストレンジャー 初めは他人”
距離を詰めようとすれば逃げていく感じ、打ち解けたと思ったら全てをわかったような気にならないでと言われそうな感じ、常に他人に侵食されない何かを残している感じがうまく表現されている。
タケカワユキヒデによる曲は、東洋的な旋律を特徴とする。これが日本的かと言われるとそうでもなくて、1980年代の東京の多国籍ないし無国籍な雰囲気が漂う。
“まるで巨大な 怪獣のように
闇にそびえた ホテルに泊まる”
バブル景気に向かう時代、次々に開発されるビル群に居場所のなさを感じる、そういう種類の孤独があった時代だったかもしれない。東京の夜景がチカチカして、どこか浮ついた時代だった気がする。
その意味で、SOLITUDE が歌い手、中森明菜の個性から流れ出して、より普遍的に当時の日本の空気と馴染んだとも言える。

