『世相』 織田作之助

終戦直後に書かれたこの作品は、もちろん創作であるが、私の知らない時代の世相を映し出しているのだろう。ここで描かれる世相は、隙間風の吹くような寒々としたものだが、何かとても正直な「やらかした」感があるような気がする。織田作 […]

『男女同権』 太宰治

『だめんず・うぉ~か~』の発表以来、ダメな男(だめんず)という言葉は、倉田真由美の専売になったような趣があるが、それより半世紀以上前、ダメな男について書かれた傑作が存在する。それが、太宰治の『男女同権』である。文字通り「 […]

『小説と〈歴史的時間〉――井伏鱒二・中野重治・小林多喜二・太宰治』 金ヨンロン 世織書房

本書は、日本文学研究者による、研究の新たな方法論の試みである。著者は、これを〈歴史的時間〉と名付けているが、この理論の提出の背景には、カルチュラル・スタディーズ、ポストコロニアリズムといった方法論における、問題意識の薄れ […]

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