評論
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『若者恐怖症―職場のあらたな病理』 舟津昌平 祥伝社
この本のタイトルでもありテーマでもある中年による「若者恐怖症」。 これは今の日本の新しい病理をキャッチーに言い当てていると思う。 もう25年以上、若者研究を行ってきた私も、全国の様々な企業へ講演やマー…
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『丹下健三建築論集』 豊川斎赫 編 岩波文庫、岩波書店
二十世紀を代表する日本の建築家、丹下健三の著作集。彼は、モダニズム建築家に分類されることもあるが、本書を読むと、既に二十世紀の半ばに近代主義をのりこえることが模索されていたことがわかる(「サンパウロ・…
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『母性のディストピア』 宇野常寛 早川書房
これは、批評家宇野常寛が戦後アニメと日本社会について論じたもので、2017年に集英社より刊行されたものを2019年に早川書房が文庫本、電子書籍にしたものであり、文庫本化の際に加筆訂正がされているとのこ…
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『人間キリスト記 或いは神に欺かれた男』 山岸外史 柏艪舎 発行 星雲社 発売
本書の帯には、「太宰治の心の師」と書いてある。山岸外史は、太宰治、檀一雄と同人誌「青い花」を創刊しているので、互いに影響を与えたのは確かだろう。太宰治も手を変え品を変え人間キリストについて書いたと言え…
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『〈酔いどれ船〉の青春 もう一つの戦中・戦後』 川村湊 インパクト出版会
田中英光の小説『酔いどれ船』を軸に、戦時中の日本人の朝鮮に対する視線、日帝時代の朝鮮の人々の姿を追った本作。著者は、韓国で日本語教師をした後、法政大学教授を務めた川村湊。田中英光と言えば、太宰治の後追…
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『恋の蛍 山崎富栄と太宰治』 松本侑子 光文社
太宰治と心中した山崎富栄の生涯について松本侑子が書いた本。心中事件について書かれた既存の文献だけでなく、当時の新聞記事、生前の富栄と面識のあった人への取材など、実によく調べられた上で書かれている。「あ…
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『宮澤賢治をめぐる冒険』高木仁三郎 七つ森書館
原子力開発を推進する立場の研究者を経て、原子力資料情報室という一市民の立場に身を置いた高木仁三郎が宮澤賢治について語ったもの。第一話では、「水や光や風ぜんたいが私なのだ」という賢治の言葉を引き合いに、…
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『漱石文明論集』 三好行雄 編 岩波文庫、岩波書店
夏目漱石の講演、評論、日記、書簡などから、文明論に関係ありそうなものを収録した本である。当時、著名人を招いての講演会が既に行われていたというメディアの発達ぶりには驚かされる。と同時に、語られている内容…
