『花男』 エレファントカシマシ

「花より男子だんご」略して花男はなだんではない。「はなおとこ」と読み、エレファントカシマシのデビューアルバムに収録されていた一曲である。
“きさまに言うこと何もない 聞きたいことも何もない 俺は口もと笑いうかべて きさまを信じるさ”
評者が就職活動中は、このフレーズが頭の中でループしていた。
「最後に何か質問ありますか?」と聞かれて、それを自分を売り込む(例えば、その会社にこんなに興味がありますよというような態度を見せる)絶好の機会と捉えるのは、「策士」だ。「生きる屍」だ。「あなたの弱点は何ですか?」と聞かれて「情にもろい所です。」とか答える老獪な紳士のようなものだ。
その上で、言わせてもらえれば、「何か質問ありますか?」に対する正解は何なのかで悩む就活生を「マニュアル人間」と言って馬鹿にしないでほしい。
「使える人柄を見抜く質問」みたいなタイトルがビジネス系メディアに氾濫しているのを見ると、人事担当者だってマニュアル人間なのだ。
この曲のタイトルは「花男」である。HELL とか DEATH とか KILL ではない。花は誰に頼まれた訳でもなく、勝手に咲いている。そんなふうに生きてみたいものだ。
“遠くを歩いてる 俺の姿よ どうしたわけか 涙ほろり 生きる屍さようなら”こんな言葉を絶叫する、ハードなロックを他に聞いたことがない。

当サイト編集長。 エンジニア、デザイナー、物書き、編集者、アマチュアギタリスト。

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