アカデミック
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『図解 建築の技術と意匠の歴史』 溝口明則 彰国社
建築の意匠(デザイン)を、その技術的な要請から読み解こうという書物。古代から始めて、様々な地域の建築の様式と考えられて来たものが、いかに雨風をしのぐか、壁に開口を設けるか、耐用年数を延ばすかという工夫…
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『議席配分の数理―選挙制度に潜む 200 年の数学―』 一森哲男 近代科学社
日本では、2016年の法改正により、衆議院議員選挙における小選挙区の都道府県への配分および比例ブロックの定数配分をアダムズ方式により行うことが決まった。これは、国勢調査で判明した人口を基に各都道府県や…
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『論理学をつくる』 戸田山和久 名古屋大学出版会
日本語で読める哲学系の論理学の教科書。この本から論理学を始めても理解できるように書いてある。本書は、論理とは何か、論理学は何をするのかという問いから始まり、論理学の2つの主な方法論であるセマンティクス…
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『はじめて学ぶ金融論[第2版]』 建部正義 大月書店
奇書である。著者の建部正義はマルクス経済学の立場から金融論を研究していると明言しているし、版元は大月書店というバリバリの(?)左翼系出版社である。そういう意味では、金融論の教科書としては異端だと言える…
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『新しい国語表記ハンドブック 第九版』三省堂編修所 編 三省堂
国語表記のための資料、主に内閣告示などを収録し、三省堂編修所が注記を付けたもの。これらの資料の多くは、省庁の Web ページなどでダウンロードできるが、一冊の本にまとまって、さらに三省堂による解説もつ…
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『Money creation in the modern economy』 Bank of England
お金はどこから来るのか、というのは素朴な疑問であるが、その答えに関しては、モヤモヤした感じを持っている人も多いのではないだろうか?以前から気になっていた、イギリスの中央銀行による記事を、この際じっくり…
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『〈酔いどれ船〉の青春 もう一つの戦中・戦後』 川村湊 インパクト出版会
田中英光の小説『酔いどれ船』を軸に、戦時中の日本人の朝鮮に対する視線、日帝時代の朝鮮の人々の姿を追った本作。著者は、韓国で日本語教師をした後、法政大学教授を務めた川村湊。田中英光と言えば、太宰治の後追…
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『サヨナラ、学校化社会』 上野千鶴子 太郎次郎社エディタス
マルクス主義フェミニズムの重鎮、上野千鶴子の著作。近代に出現した学校というものが、国家に従順な国民をつくるための装置であると説いている。そして、学歴による社会階層の振り分けと再生産が、「がんばれば上に…
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『小説と〈歴史的時間〉――井伏鱒二・中野重治・小林多喜二・太宰治』 金ヨンロン 世織書房
本書は、日本文学研究者による、研究の新たな方法論の試みである。著者は、これを〈歴史的時間〉と名付けているが、この理論の提出の背景には、カルチュラル・スタディーズ、ポストコロニアリズムといった方法論にお…
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『リレーショナルデータベース入門』 増永良文 サイエンス社
リレーショナルデータベースに関するバランスの取れた教科書。リレーショナルモデルは勿論のこと、E-Rモデル、リレーショナル代数、リレーショナル論理、SQL、リレーショナルデータベースの設計理論、ビュー、…