『横須賀ロビン』 魔夜峰央 白泉社

「パタリロ!」でもお馴染みの魔夜峰央の作品。
主人公の雪月卓也は美少年だが変人(作者はこの設定がお好きなようで)、そしてパタリロ並みにダジャレ好きである。
その卓也が事故をきっかけに、魂が飼い猫のロビンに乗り移ってしまう。そして、その事故というのは、人間との対決を画策する猫界のボス、ビッグデーモンの仕業だというのだ。
描き方によっては、深められる可能性のあるテーマであるが、本作においては尻すぼみな感じは否めない。しかし、ロビン曰く、本当のテーマは「主人公のかわいらしさ」なのだそうで、これでオチがついたと言えるのかもしれない。
卓也とロビン、猫たちの対決の話は、第一話で終わり、その後は、おじいちゃんとロビンを中心とした続編が収録されている。
魔夜峰央読者には、周知の事実であるが、彼の漫画はいわゆるBLものであるし、現在の感覚で言うとスレスレな描写や文言もある。お馴染みの読者がお馴染みのギャグを楽しむという読み方がメインだと思うが、数年前に『翔んで埼玉』がヒットしたことを考えると、もしかしたら本作も、ということはないだろうか。
因みに、私が気に入ったギャグは、「迷信は好かん」に対する「名神がいやなら東名をぶっとばせばいいじゃん」である。