『男道コーチ屋稼業』 ロマンポルシェ。

実存の意味での三島由紀夫の後継者は、見沢知廉→雨宮処凛だと思うのだが、カリカチュアされた男らしさという意味での後継者は、ロマンポルシェ。だと思う。
“茶髪ピアスの極細眉毛”には、時代を感じてしまうが、彼らの芸風は全くブレていない。
三島由紀夫の楯の会を見た時に感じる違和感は、その男らしさが徹底的に女から見た男らしさだということに由来する。男だけで集まって、宝塚歌劇団をやる。男なのに男装している。
想像してほしい。このソフィスティケイトされた性的倒錯を(笑)。

楯の会が、政治的な実行力がないことも、滑稽な死に方をしたことも三島由紀夫は自覚していたかもしれないが、だとしたら、それが何なのだ? スベった芸人が自分はスベリ芸だからと言っているようなものだ。
ロマンポルシェ。が相変わらず偉くならず、尊敬もされず、一部の変な人たちに支持されながら年を取っていくのを見ると、この人たちは本当に PUNK な生き方をしているなと思うのである。音楽的にも、矢沢永吉並みにオリジナルだ。男らしさを演じる彼らが“紋切り型の魔術師”であっても。
三島由紀夫も、学生を集めて男だけの宝塚歌劇団を作って、舞台の上で何度でも、死んで見せれば良かったんだよ。彼にも、お茶目なところはあったと思うが、ロマンポルシェ。は、もっと先を行っている。