『Nos célébrations』 Indochine

2020年に発表されたシングル ” Nos célébrations ” 。
Indochine は完全に復活を果たしたようである。
” J’étais parti avant Tout seul mais perdant
Le monde entier contre moi à ne rêver que de toi
Alors j’ai décidé de ne voir que le bien “
「昔、ひとりぼっちで打ちひしがれて出発した
世界中を敵に回し、君のことばかり夢見ながら
だから、もう良いことだけを見ることにした」
社会の不正と戦い、人間の愚かさを嘆いた若者が、心の砂漠のような世界で見つけたものは何だろうか?

精神の遍歴の末にたどり着いたのは、この世で見つけた何かしらの美しいものを歌にすれば良いという、すっきりした境地だったのではないだろうか。40周年を迎えた Indochine の作る曲からは、そういう晴れ晴れした気持ちが漂って来る。
アパルトヘイトもソ連崩壊もベルリンの壁も天安門事件も湾岸戦争も9.11も帝国主義の象徴としてのオベリスクも LGBT もグレタ・トゥーンベリも COVID-19 も諸行無常、春の夜の夢のごとし。
これらの戦いが無意味なものだったというのではなく、そういう修羅場をくぐって来た人間として、Nicola Sirkis を始めとする Indochine の面々は、相も変らぬ人間の営みすら温かく見守りたい気持ちになっているように見える。

当サイト編集長。 エンジニア、デザイナー、物書き、編集者、アマチュアギタリスト。

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