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『論理学をつくる』 戸田山和久 名古屋大学出版会
日本語で読める哲学系の論理学の教科書。この本から論理学を始めても理解できるように書いてある。本書は、論理とは何か、論理学は何をするのかという問いから始まり、論理学の2つの主な方法論であるセマンティクス…
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『男道コーチ屋稼業』 ロマンポルシェ。
実存の意味での三島由紀夫の後継者は、見沢知廉→雨宮処凛だと思うのだが、カリカチュアされた男らしさという意味での後継者は、ロマンポルシェ。だと思う。“茶髪ピアスの極細眉毛”には、時代を感じてしまうが、彼…
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『ピアノソロ/弾き語り 宇多田ヒカル Selection for Piano』 ヤマハミュージックメディア
宇多田ヒカルのデビュー曲からアルバム Fantôme の曲まで、代表曲をバランスよくセレクトしている。表紙に書いてあるとおり、レベルは中級とみて良いだろう。ピアノソロであるが、”First…
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『ART OF LIFE』 X JAPAN
一曲が30分近くする大作。前回、大江健三郎の『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』について書いたとき、この表題に最も答えようとしていると思われる中篇『父よ、あなたはどこへ行くのか?』には触れなかった。…
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『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』 大江健三郎 新潮文庫、新潮社
三つの短篇と二つの中篇からなる作品群。夏目漱石は『現代日本の開化』で、外発的な開化の影響を受ける日本人は「空虚の感」がなければならないと言ったが、原爆を落とされてアメリカに追従しなければならない戦後日…
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『点と線 feat. さとうもか』 美的計画
川谷絵音のもう一つのプロジェクト「美的計画」。こちらは、様々な歌い手が川谷絵音の作る曲を歌うものである。その中の一曲『点と線』は、テレビ朝日の番組「あざとくて何が悪いの?」内の連ドラ「君があざとくて何…
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『はじめて学ぶ金融論[第2版]』 建部正義 大月書店
奇書である。著者の建部正義はマルクス経済学の立場から金融論を研究していると明言しているし、版元は大月書店というバリバリの(?)左翼系出版社である。そういう意味では、金融論の教科書としては異端だと言える…
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『ジェームス・ディーンにはなれなかったけれど』 岡林信康
この曲で“若い歌い手”と呼ばれているのは、尾崎豊のことである。ジェームス・ディーンも尾崎豊も若くして死んで、カリスマになった。岡林信康は、「フォークの神様」と持ち上げられたが、自分からその座を降りた。…
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『田中清玄自伝』 田中清玄、大須賀瑞夫 ちくま文庫、筑摩書房
田中清玄をご存じだろうか?田中清玄は、戦前の非合法時代の日本共産党の書記長まで務め、逮捕され、獄中で右翼に転向した。刑務所を出てからは、龍沢寺の山本玄峰の下で修業、戦後は土木事業をやったり、反共活動を…
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『TOO SHY SHY BOY!』 観月ありさ
小室哲哉が作詞・作曲・プロデュースを手掛け、観月ありさが歌った『TOO SHY SHY BOY!』。この作品は、男の気持ちをいかにも元気のよさそうな女の子(当時)に歌わせることによって、安室奈美恵の『…
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『宇宙孤児イブキ』 椿鬼奴 原作
2020年12月に第2話が公開されて以来、更新がなかったので、諦めかけていたところ、2年以上経ってから第3話が公開された「宇宙孤児イブキ」。これは、仮想アニメ「超空のギンガイアン」のスピンオフアニメで…
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『ジェニースター』 ジェニーハイ
“youtuber の勝者少数派”本当にそうだ。インターネットが自由でフラットな社会をもたらしたかと言えば、そういう面もあるかもしれないが、当初の牧歌的で楽観的な予測を信じる人はもういない。そこに出現…